昭和世代の仙台人のエリアで言うと文化町あたり、一般的に分かりづらいので河原町駅あたりでは、仙台駅前から一番町にかけてのエリアを『駅前』とくくり「明日休みだから駅前行くべ!」と言っては、今はなき一番町の『SHALL』に入っていたタワーレコードを物色したものです。
※注1「駅前」の他に「町に行く」とも言いました。町なのです。街ではないのです。
そして高校に入るといろいろな地域の人達が来るので、亘理町の友人が、仙台の街中に行くことを「仙台に行く」と当たり前のことなんですが、そう言われるごとに違和感を感じました。
あとついでに、別れ際に「んでまず!」と挨拶することにも違和感を感じずにはいられませんでした。ところが、慣れると「んでまず!」言わずに別れることに違和感を感じてしまってました。
※注2「んでまず!」とは「それではまた明日ね!」という方言。
若い頃は休日に「駅前」を歩くと同級生とか知り合いとか誰かしら知った顔をひとりは見かけたりしました。それがそろそろ、やれやれの世代になって来ると、何度歩いていても、誰一人知った顔を見かけることは無くなりました。。。もう知らない街です。未来人の若者がつづら歩いております。
時々ふらりと駅前散策しているとまだやってたんだ!という店に感動します。今や知った顔に出会うことはないけれど「君はそこにいてくれたんだね!」という気持ちになります。
仙台駅から名掛丁に入ってすぐの右側の階段を降りたところに『番丁ラーメン』があります。
このお店、厳密に言えば分店なのです。
こちらのお店の本店というものが存在していて、もともとは40年くらい前に一番丁でやっていた名店でした、その名残で一番丁から「番丁」という名前を取り使っているのです。そしてその人気店が、一度店を閉めてしまうのです。
そして、30年くらい前でしょうか、地下鉄富沢駅の裏側の目立たないところで再開するのです。
今の富沢駅前のきれいに整った感じではありません。古い建物を利用した再始動です。砂利の駐車場はお昼時にはいつも満杯でした。そして、わたくしは前の会社の上司に美味しい店があると連れられ、土曜日のお昼に初めて来店することになりました。
土日の駐車場はいつも以上に埋まっており、店の外まで人が溢れる人気店でした。
並んで順番を待ち、ようやっと席に座ります、ほぼ全員が頼む店名と同じ「番丁ラーメン」を頼みます。オープンキッチンで親方の所作を見ながら待つ時間も楽しかった思い出。醤油スープに麺を入れると、特製の餡がかかります。クッタリ柔らかくなったくし切りの玉ねぎとひき肉を味噌をベースに辛めに味付けされ、カタクリ餡でとろみを付けて最後の仕上げにかけるのです。醤油スープに味噌の餡という両刀遣い。辛味の効いた熱々の餡に麺をくぐらせて口に運ぶと、熱々の汗が吹き出します。そしてうまいだな!!これが番丁ラーメンなのです。
そしてその後、本店は沖野に移動した後、数年前に閉店となってしまいました。とても残念です。
時々、食べたくなり汗をかきたくなり沖野にもよく通ったものです。
まだ富沢駅前でやっていたころ、お弟子さんが名掛丁で分店なのかな?を始めます。
それで最近、「番丁ラーメン」食べたいな~とメソメソしていて、ふと気づいたのです。まだ名掛丁店があるではないか!!と猛烈に記憶が蘇り。呑んだ帰りにさっそく寄ってみました。
ところがお店につくと外にまで人が待っていて、今回は時間が無かったので諦めて帰りました。
それでも次の週、先週の悔しさが残っていたので再度訪問しました。時間的にも良かったのか空いており、すぐに入店できました。もうメニューは見ません。「番丁ラーメン」とだけ言うと、空いていたのですぐにそれは出てきました。あとは懐かしの再開です!とてもおいしくスープまで全部飲み干しました!回顧バイアスなのでしょうか、あの頃の味には叶わなかったけど、また来たいと思う回顧録でした。
営業時間
月~土 11:00~15:00/18:30~23:30
日曜日 11:00~17:00
定休日:なし
電話:022-268-8538
仙台市青葉区中央1丁目7-2アールアイ名掛丁2号館B2